きもとblog
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紙の本質的な価値とは?

2019年08月30日

 社長の木元(哲)です。

近頃は電車に乗っていると殆どの人がスマホを見ていますが、20年前の車中の風景は全く異なっていました。
新聞を半分に畳んで器用に読んでいるサラリーマン。少年ジャンプに没頭している人。ファッション誌をパラパラとめくって見ているOL。
今では全くというほど見かけなくなりました。
たまに見かけるのは文庫本の小説を読んでいる人くらいでしょうか?

これほどまでの劇的な変化をもたらしたのは、言うまでもなくインターネットと電子デバイスの普及です。
特に車中の風景を一変させたのは、スマートフォンの登場でしょう。

印刷業界に入る前、私はエレクトロニクスの業界に長くおりましたので、それまでは紙の価値について深く考えたことがありませんでした。オフィスでは「ペーパーレス化」を当たり前に推進していましたし、電子書籍リーダーやスマホの事業に関わることもあり、「紙は将来無くなるメディア」と考えていました。

この業界に入ってからビジネスの根幹である紙媒体の価値をどのように見据えていったら良いのかを考えるようになり、お客様にも話せるような根拠となる資料やデータを探してみましたが、「紙媒体とデジタルデバイスはこう使い分けるべき」という一般論こそ多いのですが、自分が納得できる根拠を見つけることが出来ないままでいました。

最近 「ペーパーレス時代の紙の価値を知る - 読み書きメディアの認知科学」(産業能率大学出版部)という本に出会いました。この本では、認知科学をベースに、「読む」「書く」際の紙メディアと電子メディアの客観的な比較をし、各々のメディアの将来に向けての提言を行っています。

その一例を紹介しますと、「読む」という行為の中には、「ページを行き来する」「コンテンツをなぞる、ポインティングする」「情報を探す」など普段意識しない実に多くの操作があり、各々の操作において紙メディアが電子メディアよりも優位であるという実験結果が示されています。例えば、「特定のページにジャンプする、読みながらページをめくる」場合、紙メディアの方がタブレットに比べて38.6%速い」など。つまり「読む」際の様々な操作において、紙の方が電子メディアよりも認知負荷が小さいのでより没入できて深い理解を促進するというのです。勿論、電子メディアの方が有利な操作もしっかりと紹介されています。

これだけ電子デバイスが普及し、特に若い世代の人たちはPCやスマホでコンテンツを見るのが当たり前になっている現代において、いくら「本は紙で読もうよ。紙に戻ろうよ!」と叫んでも時代の流れはもう戻せないと思います。ただ、私たち印刷業界は、紙の本質的な価値を理解し世の中に伝えながら、電子メディアも含めて時代の流れにあった最適なコンテンツの表示のし方を提案していける唯一の業界であり、人間の「読む」「書く」の進化を支える重要な役割を担っていくのではないかと改めて思いました。

最後までお付き合い頂きありがとうございました。

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