きもと社員Blog

社長の木元（哲）です。

就活が始まる季節になりました。
自分が学生だった頃のことをふと思い出しました。
だいぶ昔のバブル期少し前の頃の話です。
当時は”就活”ではなく”就職活動”でした。

"就職活動は社会勉強をする絶好の機会だ！"

と意気込んで、様々な業界の沢山の会社の採用面接を受けました。

損害保険会社、通信会社、商社、銀行、証券会社、
インフラ会社、食品メーカー、電機メーカー、広告代理店 ,etc.。

社会の厳しさを初めて味わった経験でもありました。

就職協定により、表向きは就職活動を始められるのは大学４年生の
９月からだったのですが、実際には７月にはほとんどの学生の内定先が
決まっていました。

会社の人事部に電話をかけても「うちは就職協定を守っているので、
採用面談開始はまだです」と言われるのですが、実際にはすでに裏で採用面談が
始まっているという不条理な世界でした。

それではどうやって採用面談まで漕ぎつけたのかというと、
大学のOB訪問をすると、その後に会社の人事部の人から電話があり、
「いついつここに面接を受けに来てください」と言われる、そんな感じでした。

今のようにインターネットやSNSが無い時代です。
人と人との繋がりによる情報戦が全てでした。

実際、私は、情報戦に敗れて、第一志望の広告代理店と第二志望のメーカーについては
いつの間にか採用試験が終わっていて、面談を受けることさえ叶わなかったのです。
そんなことは、今就活をしている皆さんには信じられないことでしょう。

様々な会社の面接を受けさせて頂いた中でもとりわけ印象深かった面接があります。
損害保険会社の最終の役員面接だったのですが、とにかくその役員の面接官の方の
感じが悪くて、頭にくるような質問を次々と投げかけてくるのです。

「どうせ勉強なんかしてないと思うけど、卒論のテーマは何なの？」

「彼女はいるの？今の学生はデートではどんな話をするのかな？」

など、癪に障るような質問の仕方で、プライバシーへの配慮もありません。
所謂、圧迫面接というやつですね。今なら訴えられかねないような内容です。

そのような厳しい質問にも感情的にならずに淡々と答えていくと、
面接の最後に信じられない場面がありました。

その役員の方がいきなり頭を下げて、

「本日は失礼なことを色々と申し上げて本当に申し訳ありませんでした。是非、当社に入社してください。」
とおっしゃって、エレベーターのところまで私を送ってくださったのです。
合格ということで喜ぶべきだったのかもしれませんが、その豹変ぶりに驚いてしまい言葉が出ませんでした。

帰り道で私は気付きました。
「私は営業要員採用なのだな。だからお客様からの理不尽な言葉にも精神的に耐えられるかどうかを
吟味されていたのだな・・・」と。

大人の世界を垣間見たように思いました。結局その会社とはご縁が無かったのですが・・・。

就職活動で強く感じたのが、

「就職活動は、こちらも自分が働きたいと思える会社なのかどうかを吟味するという気概で臨むべき」

ということでした。

当社も 「是非、当社で働きたい」 と思ってもらえるような会社でありたいと思います。

以上、最後までお読みいただき、ありがとうございました。