懐かしの探検路
こんにちは。おけらです。
本格的な夏の到来になり、一気に気温が上がってマスクの着用が厳しい季節となりました。
昨今の事情により外出の自粛を心がけてはおりますが、お家に閉じこもりっぱなしというのは性に合わず、どうにも気が滅入ってしまいます。
そんな中ではありますが都心への外出は自粛を心掛け、近くの森林や田畑を散策する様にし、気持のリフレッシュを図っております。
今回のお話は…ふと思いたち、幼稚園~小学校3、4年まで夏休みになると「探検」「昆虫採取」と称して良く遊んだ場所へ、35年以上ぶりに足を運んでみた…というお話です。
さて、早速お家を出て目的地の確認を開始。記憶もおぼろげで距離感や土地勘も怪しかったのですが、外は晴天、有酸素運動にはちょうど良いと思い、何も考えずに気楽にぶらぶらしはじめました。
案の定、35年も経過すれば…田んぼや畑は住宅地に…なんて想像をしていたのですが、意外なほど景色や道は変わっていない様な感じでした。
一つ大きく変わっていたことは、商店街が消滅していたことです。
シャッターが軒をつらねる状態で、子供の頃の記憶では賑やかで夏になれば盆踊りなど開催されていたほどでした。
田畑の位置は変わっていない様な感じでしたが…人が極端に少ない。
昔は青々とした稲や野菜達がそこかしこに栽培され、農家の方々の姿が多かった。
田畑は栽培を辞めてから長い月日が経っている様な状態でした(全体の半分程度はまだ栽培を続けておられる様子でした)。
時の流れを感じながら、ようやくかつての「探検」「昆虫採取」らしき?場所へ到達しました…かれこれ徒歩で1時間半。全身の汗も滝のよう。
子供の足でこんなにも歩いたかなあ…と思う。
それでも記憶どおりの場所。雑草が刈られていない様で、遠目から見ても「入り込むのはどうしよう」と思ってしうほど。
せっかくなので、記憶も曖昧ですが周辺の様子を伺いながら、当時良く入り込んだ入り口付近を探し無事発見。ここだ。
この場所は市区町村で管理されていて、江戸川とその脇の天然水路の環境管理・整備を行う(行なっている様に見えないが)場所の様で、人の出入りができます。
とはいえ、とんでもない身の丈の倍はある草木が欝蒼としげる場所です。しかしながら子供にとってはまさに秘密基地でした。
さて、早速という気分ではありませんでしたが、懐かしさと興味深さで入り口(ぽく見える)より茂みの中に入っていきました。
入った直後、茂みの中より「モゥ~」と牛の様な鳴き声。様子を伺いながらの進入ということもありドキッとしました。この野太い鳴き声…こいつはウシガエルです。
しかし人が侵入したのに良く鳴くなあ~なんて思いつつ、足を踏み入れると、地面にはトカゲやバッタが一斉に両脇へ退散していきました。
最初は気分良く、足場はほぼ雑草程度しか生えておらず、脇の草木だけ身の丈ほど茂り子供の頃を懐かしむ余裕がありどんどん進んで行けました。
途中に川の水辺に近づける箇所もあり、思わず写真を撮り、鳥のさえずりやら野球・サッカー少年の掛け声など聞きつつ小休止。
近くの木々には黒いボディに白の斑点。カミキリムシです。懐かしい!!!
流石にクワガタやカブトムシはいませんでしたが、カマキリや各種バッタ、全身が茶色で成体であるヒガシニホントカゲ、虹色に輝いた幼体も発見!!
そこまでは気分も呑気に満喫しておりました…
満喫した小休止をそこそこに先へ進んでいきました…が。
脇の草木の丈が3メートル位になり、木々も繁り地面はぬかるみだして、気がつくと足下の雑草群が膝まで届く様になりました。
だいぶ歩いてきたので、引き返すのもなあ…。ふと思い出したのですが…子供の記憶で、最後まで行ききったかな?あれ?
鳥類の亡骸が散見された後から少し不気味さを覚え、お日様は陰り、少し風も吹き出し、周辺の草木がサワサワと音を立てはじめました。
その内、足下の雑草が腰まで…。地面の緩みも危なくなり、草木に埋もれている「マムシに注意」の看板(看板の意味ないのでは?)。
「ここまできたのだから」と思いつつも、こりゃ引き返そう!
途中で上機嫌で小休止していた場所も帰り道には気持ちに余裕がなくなりさっさと通過。焦りながらも入り口付近に。
入り口付近で後ろを振り返り、往復で40分近く掛かり汗まみれになりながら、子供の頃は本当にここで遊んだんだろうか…と、子供の遊びに対する底抜けのバイタリティを羨んでました。
さあ、帰ろう。とその時、「モゥ~」と牛の様な鳴き声。ウシガエルです。
その鳴き声は「またおいで」と語りかけているように聞こえました。