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2020年06月26日
夏至が過ぎ、夏本番になってきました。ご機嫌いかがですか? 制作のことことです。
例年ですと7月上旬には入谷朝顔まつりが開催されるのですが、今年は新型コロナの影響で中止に…長く続いてきた東京の夏の風物詩であるだけに、残念でなりません。
朝顔といえばこの映画が思い出されます。
『利休』(勅使河原宏監督 1989年公開)。
安土桃山時代に侘茶を完成させた千利休と、時の権力者:豊臣秀吉の関係を描いた作品です。利休を三國連太郎・秀吉を山崎努が演じており、登場する掛け軸や茶器の大半は美術館などから借りた本物(という事は国宝級…?)という、今にして思えば贅沢な映画でした。
その冒頭で、朝顔が効果的に使われています。
…利休の屋敷で朝顔が満開だと知った秀吉が訪れたものの、庭のどこにも咲いていない。不思議に思いながら仄暗い茶室に入った所、見事に咲いた朝顔が一輪、花器に生けられていた…
なにせ◯十年前に見ただけなので、細かい内容は覚えていないのですが、その場面だけは当時高校生だった自分でも「おっ」と驚いた記憶があります。
この映画は野上弥生子『秀吉と利休』を原作として制作されました。
野上弥栄子 秀吉と利休 新潮社 昭和60年8月20日30刷 表紙もボロボロです…
ところが本には朝顔の場面は書かれていないのです(たぶん…今回読み返してみても発見できませんでした。読み込みが浅いのか?)。余談ですが、この作者の文章は美しく深みがあり魅き込まれます。興味を持たれた方はお読みください。
茶話指月集江岑夏書 淡交社 平成23年9月13日初版発行
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