きもとblog
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空の上の恋物語

2019年07月04日

皆さん、こんにちは。
本日のブログ担当のやまちゃんです。

今週末7月7日(日)は七夕ですね。
七夕といえば日本で古くから親しまれている行事の一つで願い事を書いた短冊を笹にくくりつけたことがある方も多くいらっしゃるのではないでしょうか?
本日はそんな七夕にまつわるお話をさせていただきたいと思います。

今では日本で広く認知されている行事ですが、元を辿ると中国からやってきた行事なのです。中国の「七夕伝説」と「乞巧奠(きっこうでん)」というお祭りに日本古来の「棚機つ女(たなばたつめ)」の伝説が合わさって日本の七夕が生まれたとされています。

そんな日本の七夕ですが、奈良時代には既に認知されていたと考えられていて、「令和」の由来にもなった『万葉集』にも七夕の歌が多く残されています。当時の日本人にとって中国から来た空の上の男女の恋物語はとても新鮮に感じられていたようで様々な表現方法で七夕をモチーフにした歌が作られました。
今回は個人的に素敵だなぁと思う七夕の歌を紹介したいと思います!
(実は私、学生時代万葉集の七夕の歌を研究していたので、詳しく語れるのです…!)

まずは、この2首。

①天の川楫の音聞こゆ彦星と織女と今夜逢ふらしも
訳:天の川に楫の音が聞こえます。彦星と織女は今夜逢うようです。

②この夕降りくる雨は彦星の早漕ぐ舟の櫂の散りかも
訳:この夕べに降る雨は彦星が急いで漕ぐ舟の櫂のしずくなのかもしれない。

どちらの歌も彦星が天の川を舟で渡って織女(織姫)の元へ向かっていく様子を表現しています。現代では雨が降ると「彦星と織姫が会えなくて残念」と思われることもありますが、この時代の人々はそんな風には思っていなかったようですね。この他にも七夕の夜に空にかかる雲は彦星を待つ織女の羽織りものがたなびいているからだと表現している歌もあります。
きっとその年によって七夕の夜の天候は違っていたと思いますが、様々な空の様子を七夕の物語と重ね合わせて歌っているのがとても風流だなぁと思います。

あと、もう1首。

③霞立つ天の川原に君待つとい行き帰るに裳の裾濡れぬ
訳:霞が立っている天の川原であなたを待って、行ったり来たりしていると、裳の裾が濡れてしまいました。

この歌は織姫の思いを歌っています。七夕の日が近づいて彦星がやってくるのを今か今かと待ちわびている様子が想像出来ると思います。そわそわしすぎて裳(服)の裾を濡らしてしまうという表現も織姫が地上の人間となんら変わらない一人の恋する女性であることが窺えて親しみを感じます。
当時の人々の恋愛は男性が女性の元へ行く通い婚が主流で男性を待ちわびる姿は地上にいる人間の姿とも重なるものがあり、こんなにもリアリティのある歌が作られたのかなぁと思います。


今回3つの七夕の歌を紹介させていただきましたが、古代日本人の描いた七夕の世界はいかがでしたか?
専門的過ぎて興味を持って読んでくださる方がいらっしゃるのか不安なのですが、「七夕の由来なんて考えたことも無かったな」とか「万葉集って一時期話題になったけどどんな内容なのか知らなかったな」という方々に少しでも七夕や万葉集に興味を抱いていただければ嬉しいです(^^)

最後に一つ余談ですが、実は七夕は元々機織りが得意であった織姫にあやかって機織りや手芸などの芸事が上達するようお願い事をする行事だったのです。
もしこの記事を覚えていたら、ぜひ今週末夜空の彦星や織姫に思いを馳せて、手芸の上達を願ってみたらいかがでしょうか…☆☆

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