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きもと社員Blog

木元省美堂の社員が様々な話題をお届けします!

どんな方向から見ても完成されたカタチ

2021年10月12日

こんにちは
制作部のユキです!

今回はとあるデザイナーさんのトークイベントを視聴したお話をしたいと思います。

以前はトークイベントというと会場に行って参加しないと聞くことができないものが多かったのですが、前回お話しました若手アーティストのグランプリのように最近では動画配信という形でアーカイブを残してくださるイベントも多くあり、専門家の貴重なお話を聞くことができる機会が増えました。
今回のトークイベントも期間限定で配信されたものを自宅で視聴したものになります。

そのデザイナーさんは広告や書籍の装丁、ブランディングデザインからサインディスプレイまで多岐にわたって活躍されている方で、幅広く活躍されているデザイナーさんがどんな案件でも共通して心掛けていることは何かというテーマで専門家の目線を学ぶことができました。

その中で確かに大事だなと強く共感したことは、どの案件でも「すべてのものに対してあらゆる角度で観察する」ということでした。
例えば手を観察したときに手の平や手の甲はもちろん爪を正面に捉えたり各指を正面に持ってきたらなど、どのアングルでもある完成された形に見えるのはどんなポーズかを考えるそうです。

また、自分が作成したものに対しても正面はもちろん側面、裏側から見ても反転したり回転させても違和感のない形が表現できているかを何度もチェックすることを常に行っているそうです。

そのお話を聞いて、私も昔似たようなことを教わったことを思い出しました。

以前デッサンを習っていたときに、先生から描いてる途中でそのまま実物と比べてチェックするだけではなく、描いたものを逆さまにして確認してみよう。とアドバイスをいただいたことがあります。
最初は見たまま描いているのに逆さまにしても合っているかなんてわからないのではないか...と不思議に感じていました。しかし逆さまにして観察しているうちに、正面で見ていただけでは気付けなかったパースの歪みや濃さの違和感に気付きやすくなりました。
逆さまにし、気付いたところを修正して元に戻すと正面で見ただけより精度が高まっていることに驚きました。

その時、あらゆる角度で見ることで正面だけでは解決できない些細な違和感も見抜くことができることに視覚のカラクリを感じて、これは面白い! とどんどんデッサンにのめり込んでいた時期がありました。

そのデザイナーさんはそういったチェックを無意識のうちに行っているそうですが、デッサンで似たようなことをしていた自分からすると(比べるのもおこがましいですが...)無意識にできるまで習慣化させるのはかなりの経験を積まれたからこそできる技の一つなんだなと感じます。

ある程度完成してしまうと、つい見えるところだけ確認して完成にしたくなります。しかし、もうワンステップ上を意識してそれを実際に見たり使用したりする人の立場で考え、どんな見方や持ち方、使い方をしても違和感のないものに仕上げていき自信を持って世に出すことができる。そんな制作ができるように私も心掛けていきたいと思います!

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