木元省美堂の社員が様々な話題をお届けします!
2021年07月06日
社長の木元(哲)です。
今、アナログレコードの人気が再燃しています。
年配者の郷愁だけでなく、若者の間でも人気です。
また、「ハイレゾ」という言葉も良く聞きます。
「ハイレゾ」は ”High Resolution” の略で、CDを圧倒的に上回る
情報量を持つ音楽データのことです。
音楽を聴くことの利便性が高まっている中、クオリティを追求する世界も
広がってきています。
1982年に音楽CDが登場したとき、
「アナログレコードに比べて音質が落ちるのに流行るのか?」という議論がありました。でも結果は、アナログレコードが姿を消し、CDが取って替わりました。
クオリティが多少低くてもデジタルを特長とした圧倒的な利便性がCDにはあったからです。
次にオーディオ業界でのエポックメイキングな出来事は、
2001年のアップルのiPod発売とiTunesの開始でしょう。
AACという圧縮フォーマットの音質はCDに比べてかなり低下したのですが、
いつでもどこでも大量の音楽を楽しめるという圧倒的な利便性が市場に受け入れられました。
そして今は、スマホでSpotifyなどのストリーミングで音楽を聴くのが
主流になっています。このスタイルも音楽を聴くには圧倒的に便利です。
今では、音楽CDの市場規模はピーク時の1/3まで縮小してしまいました。
では、どんどん利便性の方に流れてきたのに、今、何故、ハイクオリティ追求
の流れが来ているのでしょうか?
音楽の世界で、利便性はすでに極限レベルにまで達してしまったのではないかと想像します。ライフスタイルを変えるほどのインパクトのあるものは、今後そう簡単には出てこないでしょう。そんな中、市場がまたクオリティを追求する方向に向かっているのかもしれません。
究極の姿は、圧倒的なハイクオリティで圧倒的に便利に楽しむということだと思います。
ただ、この両者はどの分野でもなかなか両立しません。
クオリティを追求していくことと利便性は相反する事が多いです。
音楽がストリーミングで大量消費されることに対して、アーティストの思いは微妙なはずです。
たくさんの人に聴いてもらえるのは嬉しいことですが、一つ一つの楽曲には思い入れがあり、大切に聴いて欲しいと思う気持ちがあるはずだからです。
なので、こういう本物のクオリティを追求する世界が広がるのはアーティストにとっても好ましいことだと思います。
かくいう私も未だにアナログレコードプレーヤーを後生大事に取ってあります。
ただし、面倒くさくてアナログレコードを聴くことはめったにありません。
いずれにせよ、中途半端は残らないような気がします。
圧倒的に便利なものか、圧倒的にクオリティの高いもの。
私たちが仕事で関わっている書籍も同じだと感じています。
最近、紙質から解像度、色の再現性まで、徹底的にこだわった
究極のクオリティの本を作ってみたいと思うようになりました。
1冊作るのに1か月かけるような。夢のある作品を。
以上、最後までお読みいただき、ありがとうございました。
写真:ソニーPS-HX500(アナログレコードからハイレゾ録音ができる)
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