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きもと社員Blog

木元省美堂の社員が様々な話題をお届けします!

シリーズ「子どもの頃になりたかった職業(夢)」Vol.10

2020年11月06日

 バッハです。バッハですけど夢は音楽家ではありませんでした。

子供の頃になりたかった職業は定かではありません。いつもそばに紙とペンがあり、絵を描く人になりたいという思いはあったように記憶していますが、その絵好きも、いま思えば自分から描くことが好きだったのか、まわりがこの子は絵を描くのが好きだと思って画材を提供してくれていたのか曖昧です。それでも時間があれば描いていたように思います。

そんな子供が抱く夢は漫画家。どうすれば漫画家になれるのかという悩みはなく、マンガを描く人になりたいでした。年を経るにしたがって、上達しない画力と極度の読書ぎらいだったのでストーリーが書けないというダブルパンチをうけ、漫画家への夢は日に日に彼方へと去っていきました。それが小学校高学年の頃です。

中学生の頃はアニメ制作に興味がありました。絵に関連はあるのですが、どちらかというと動かすことに面白みを感じ、教科書の隅の方にパラパラマンガを描いては友達と見せ合い、アニメのメイキング本や特集番組が大好物な時代でした。アニメといっても絵だけでなく、人形や粘土をつかったストップモーション撮影にも惹かれ、その頃は映画熱も高まっていたので映像業界への興味もありましたが、職業とは考えていませんでした。

そして高校生。進学の選択。アニメ業界も考えたのですが、業界の知識が豊富な人達が集う世界でやっていける自信がなく、漠然とデザインの道へ進みました。かといってデザイン業界のことも何も知らず、なにか描ける仕事かもといった安易な選択でした。学校の面接でそんな話をしたら「思っているのとは違うよ」と言われ、デザイン無知を露呈。それでも卒業できたのは、制作すること、絵を描くことはほぼありませんでしたが、面構成やレタリングなど紙・筆を使った実作業やプレゼン用の工作をすることに面白みを感じたからです。就職してからも版下作成は手作業、トンボもトレスも型抜き用の複雑な線も、なんでも手書きで、技術力を求められたことが楽しかった…

…そこで思い至りました。今回のお題、子供ころになりたかった職業。それは職人です。大工、木工彫刻師、料理人、画家、etc.(今時こんな表記見たことない)どんなジャンルでもいいので極めた人になりたかった。「手仕事にっぽん」「プロフェッショナルの流儀」を食い入るように観てました。

この文章の着地点がどこになるのか心配でしたが、無事に終われそうです。

安心したところで、ちょっとアニメの話に立ち返って。
今さらながらGIFを作ってみました。木元のロゴを使った動画です。動きをつけるために、ああでもないこうでもないと作業するうちに、15枚程だった画像も23枚、28枚とどんどん増えていきました。子供のころ観ていた劇場版のアニメでは、使われたセル枚数が宣伝材料だったりしていましたが、スムーズな動きにするためには膨大な枚数が必要になることを実感しました。今回はただ色丸を動かすだけのアニメでしたが、作りながら思ったことは、もっと複雑な動きをつけている「アニメの動画マンってすごい」でした。思わぬところで過去の熱情がよみがえり楽しかったです。
ただ、最近は始まりと終わりの絵があれば途中の動きはデジタル処理できるらしく、メカや背景もCGだったりするのでどこまで手作業なのかは分かりません。ディズニーはCGになってもキャラクターの動きにはモーションキャプチャーを使わずにアニメーターが動きをつけていると聞いたことがあり、1体のキャラクターを一人の作画マンがすべて担当するという伝統の継承なのか、これも職人技だなと思います。

そして、これは夢というより願望ですが、紙から離れデジタル化が進む中で、自宅のパソコンにも描画ソフトがありペンタブを使うことがあります。画材代はかからない。失敗しても⌘+Zで戻れるし、パーツごとに拡大縮小・回転もできるし、見た目はラスターなのに線の調整が可能なベクターデータ。すごい! すごいぞデジタル。すごいけど、鉛筆でも筆でもペンでも手に伝わる感触はどれも同じ。それぞれの画材で、鉛筆の硬さによって、紙質の違いで筆記具から伝わる摩擦感は変わるはずなのに、そういう重要な感覚はまだ再現できないんです。今は幼子もパソコンの時代ですが、アナログの感覚も大事にしてもらいたいものです。

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