木元省美堂の社員が様々な話題をお届けします!
2020年07月31日
社長の木元(哲)です。
小学生の頃、剣道場に通っていました。
最近良くそのことを思い出します。
冬の寒稽古は特に辛い思い出です。
朝の4時に母に起こされ、まだ暗い中、
剣道着を来て道場に向かいます。
道場に着くと雑巾がけが待っています。
足先の感覚が無くなるほど床が冷たく(もちろん裸足です)、
雑巾を絞るときも冷たくて手の指先が痛くなります。
雑巾がけが終わるといよいよ稽古が始まるのですが、
稽古の前にもう一つ辛いことが待っています。
それが「坐禅」です。
この道場は、小野派一刀流(一刀流元祖の伊藤一刀斎を継ぎ徳川将軍家の指南役となった小野次郎右衛門忠明を祖とする)の道場で、剣道の技だけではなく、武士道の精神なども教えて頂ける稀有な道場でした。
まさに「剣禅一如」を体現するような道場です。
「剣禅一如」とは、剣の道を究めたときの境地は禅の「無双無念」と同一であるという考え方です。
稽古が始まる前の30分間、坐禅を組みます。
両足を胡坐のように組んで座り、手をお臍の下あたりで合わせます。
目を閉じて呼吸を意識しながら、他のことを何も考えないように、
ただひたすら心の中で数を数えることに集中します。
息をゆっくりと「いー」で吸って「ちー」で吐きます。
10まで数えたらまた1に戻って数えます。
ただその繰り返しだけなのですが、気が付くといろいろな雑念が浮かんできて、
集中するのはなかなか大変です。
雑念が浮かぶと体が動いたりして、後ろから竹刀で先生からビシッと叩かれます。
叩かれる恐怖と足の痺れでとても辛い時間です。
小学生の私が「無双無念」の境地に至れなかったことは言うまでもありません。
辛かった話はそこまでにして・・・。
アップルの創始者スティーブ・ジョブズも禅の愛好家だったというのは有名な話です。
今ではGoogleなど有名なIT企業がこぞって禅の瞑想法を取り入れています。
それは「マインドフルネス」と呼ばれ、日本にもその瞑想法が逆輸入されています。
「マインドフルネス」と「坐禅」の違いを知りたくて本を買いました(写真)。
どうやら「坐禅」の宗教的な意味を省き、呼吸法と瞑想法の部分だけを取り出したものが「マインドフルネス」のようです。
脳科学も交えて効果的な瞑想法が描かれていて実践的な本だと思いました。
ただ、その基本は私が子供の頃に教わった「坐禅」と同じものでした。
もう一度「坐禅」をやってみようと思い立ち、始めてみました。
どうやら子供の時よりも「雑念」が多いようです(笑)。
新型コロナの影響でストレスも多いので、出来る限り心を平静に保つために童心に帰って「坐禅」を続けてみようと思っています。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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