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きもと社員Blog

木元省美堂の社員が様々な話題をお届けします!

水道橋営業部の窓からvol.11

2020年03月10日

「いざという時」の窓から

こんにちは、3・10の文々です。

COVID-19が水際で防げなかった影響で、全国の小中高が突然お休みになったり、あちこちに影響が出ていますが、みなさんいかがお過ごしでしょうか。

そして今日3月10日は一晩で10万人以上が亡くなり、負傷者は約15万人・罹災者は約300万人になったと言われる東京大空襲から75年目の日です。また明日は3月11日、東日本大震災から9年目を迎えます。

毎年、この頃になるといろんなことを考えます。

私自身も両親も「戦争を知らない」世代ですが、私が小学6年生の時の担任の先生は、初めての教え子を東京大空襲で全員亡くしたという悲しい経験を背負いながら、それでもずっと教師を続けてきた方でした。そして、私はその先生の定年になる最後の年の教え子でした。

もうかなり昔のことなので、断片的にしか覚えていませんが、先生が時折、授業中に何かのきっかけで話し出す戦争体験のお話は、12歳の私の心の深いところに刻まれ今でも残っています。

東京大空襲があった3月10日の前日に、卒業式のために生徒たちと疎開先から戻って来て、その夜未明からB-29が東京の空を覆ったといいます。新任だった当時の先生には選択の余地はありませんでしたが、それでも「あの時生徒を連れて帰らなければ…」と何かきっかけがあると、涙をこぼしながら語り出すのです。
今でこそPTSDという言葉も知られるようになりましたが、きっと先生は過去の記憶と今の記憶を常に行ったり来たりしては、その時の事を忘れられずにずっと後悔し続けていたのではないかと思います。

中でも一番残っているのは、

「国の都合で『正しい』と言われていたことが一晩で180度変わったりする。だから常に自分の目でちゃんと見て、自分の頭でちゃんと考えるのよ」

という、先生の心から絞り出された声でした。

戦争が終わったら、戦争前に自分が教えられたこと、戦争中に子どもたちに教えたことの多くは墨で消すように、生徒と一緒に、教科書を毎日真っ黒にするのが、戦後すぐの先生の仕事だったそうです。(印刷会社なら悲鳴ものですね)

その先生の言葉は、日本で大きな災害や事件が起こるたびに、私の心の奥底から聞こえてきます。今回のCOVID-19の騒ぎの中でも同じように聞こえています。

また、3・11が近くなり、当時の体験者の特集番組などを視ていても、普段どれだけの情報の蓄積があったかが判断を分け、自分や部下や家族や子供たちの生死を分けたかが浮き彫りになるのを見る度、やはり聞こえてくるのです。

いざという時、自分を守ってくれるのは何なのか、誰なのか、守らなくてはいけないものは何なのか、誰なのか?それは家族であり、会社であり、社会であり、国であるのが理想です。そのために私たちは信頼関係を築いて社会生活を営んで、選挙に行って政治家を選んでいるはずです。

そのうえで(私は決して自己責任論者ではありませんが)思うのは、やっぱり「いざという時」氾濫する情報に流されず、情報に踊らされず、自分や自分の大切な人を守るのは「自分の目で見て、自分で考える」力なんだなということです。

今回もまた起きたトイレットペーパーの買い占めなどを見ていてもしみじみ思いました。この現象、実は日本だけでなく香港をはじめ世界各国でも起きていたそうです。

(ちなみにいつもは最後の1ロールになってからトイレットペーパーを買いに行く文々なのですが、今回は虫が知らせたのか、先月頭にマスクが早々に売り切れ始めた店頭を見て、まだ8ロールもあるにもかかわらず売り切れ騒動より一週間早くもう1パック買っておいたので、危うく難を逃れました。そして、これからはとりあえず最低でも常に1パックは買い置きをするようにしようと思います…)

ところで、「いざという時」の「いざ」は、もともと「さあ、~しよう」の掛け声(古語)だったようです。(デジタル大辞林より。)今では「万が一の時」という意味で使われていますよね。それは鎌倉時代の武士たちが事に及んだ場合は「いざ鎌倉へ!」を合言葉にして普段から武芸に励んでいたことに由来するとか。

自分で判断するというのは勇気がいります。そして責任が伴います。

そのために普段から情報キャッチ力、考える力を磨いておきたいです。

そして、私はあの時特売のお肉や野菜を抱えていたのに、さらに早めにトイレットペーパーを買う判断をして家族の安心を確保した自分をほめてあげようと思うのでした。
まだまだ、油断のできない日々が続きますが、みなさんもどうかご無事で!

それでは、また!

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