木元省美堂の社員が様々な話題をお届けします!
2019年04月03日
こんにちは、今日もお疲れ様でした!
もうお花見には行きましたか?本日担当の文々です。
今回のシリーズ「新入社員の頃の私」、これまでとは違う少しネガティブなお話をします。
長くなりますが人生の失敗談として読んでいただければ幸いです。
さて、いきなりタイトルに反しますが、私には「新入社員」経験がありません。
なぜか?学生時代に講師のアルバイトをしていた地元の学習塾に「社員にならない?」と引き止められそのまま「就職」したからです。
それまで2年働いていたため、新人研修などもなく、むしろ3月の春期講習を皮切りに4月の時点で新しく入ってくる学生バイトさんの指導や、生徒さんのおうちの方との面談などを先輩講師としてこなしていました。
平日授業が終わるのは21時。そこから掃除や事務作業を終えて帰宅すると、たいてい23時を回る生活がつづきました。
同期はゼロ。一緒にアルバイトをしていた仲間はそれぞれの就職先や進学先へと旅立って行き、たまに電話で話せるのがやっとでした。(メールもLINEも無い時代です)
今思うと、終業後に同じ立場で話しをできる仲間がいなかったのは辛かった。
そして衝撃だったのが、初めての給与明細をもらった時です。会社独自の謎の積み立て金という名目で3万円ほど差し引かれ、あとの社会保険や厚生年金は引かれていない……おかしいな?と思って社長に確認すると「保健と年金は国民保健に入って」と一言。そういえば「雇用契約書」のようなものももらっていませんでした。何度か上司に説明を求めましたが「個人経営ならみんなそうしている」と言われるだけでした。
要するにその会社の「社員」とは「残業代を払わず定額で働かせ放題のバイト」みたいなものでした。完全に労働法に違反してるんですけれど、その時に知識が無く反論できなかったことが悔しいです。
それでもしばらくは受け持ちの生徒への責任感から頑張って続けていました。しかし、それに加え、当時の上司から終業後に一緒に飲食に来るようにしつこく誘われるようになり、お断りすると次の日に仕事上のホウレンソウをしてもらえないなどの行為が続き、私はさらに悩みました。
これって今なら立派なパワハラ(セクハラ)と言われますけど、その頃は似たようなことで泣き寝入りする人は少なくなかったのではないでしょうか。(今でも似たような話しを聞くと憤りを覚えます)
結局、相談相手も窓口も見つけられないまま限界を感じた私は転職し、その後原因不明の体調不良がずっと続きます。(今なら間違いなく「うつ」と診断されるでしょう)
昨今では「パワハラ」や「セクハラ」という言葉が認知され、社会的に「してはいけないこと」という認識が広まりつつありますが、当時の私は、つけこまれる自分が悪く、耐えられない自分が弱いのだと思ってあきらめていました。でも今は「私は悪くなかったのだ」と思います。しいていえば、長くつづく就職活動を終わらせようと安易に「社員」という言葉に乗ったこと、その時に雇用条件をきちんと確認しなかったことは反省すべき点で失敗談といえます。これから就職活動をする方は、ここ要注意です!かならず雇用条件や内容は確認しましょう。
あの頃の私に言ってあげたい。
「ひとりで悩まず、もっと周囲に相談して!」と。
「無理な我慢を続け、こころの病気にならないで!」と。
これから社会へ出て働くみなさんへ、また親御さんに対しても「おかしいと思ったら声をあげていい」という事は声を大にしてお伝えしたいです。
今はインターネットで検索をすると、いろいろと相談窓口もみつかります。
我慢してはいけないことから「自分を守る」術を知らないのはとても不幸なことです。
運悪くおかしな会社につかまってしまい、まともに応じてもらえない場合は、逃げることも必要です。
さて、その後の私はどうなったか?
体調不良をごまかしながら、当時は珍しかったMacのメンテナンス会社に転職し、そこからさらにパソコンに関する仕事を転々としました。
95年以降IT関係はインフラも含め開拓期だったため常に人材不足でどこでも即採用。その代わり仕事もハードで定着率は低かったです。どの会社も中途採用扱いだったので全てがOJT。日進月歩の情報を自分で勉強するしかありませんでした。当時の業界が新人を育てる余力が無かったとも言えますね。
やがて結婚し、家事との両立に悩みここで一度リタイア。子どもを生んでから激ヤセし病院へ行き、ようやく「うつ」と診断されます。
それまでにだいぶ悪化させてしまったので5年ほど治療に時間を要しました。もっと早くSOSを出せば良かったと思いますが、今よりこころの病気に対して社会も身内も冷たかった。かれこれ20年近く昔の話です。
つくづく、おかしくなる前に「休む」こと大事です。そして周囲の理解も必要です。
そんな私が「新人研修」と名の付くものを受けられたのは、皮肉にも病気を克服しつつ大手の派遣会社に登録した時が初めてでした。有難いことに、名刺の受け取り方から、電話の対応の細かいこと、ネットワークの知識など教えていただき、今でもとても役立っています。
長い目で見ると、どんな失敗でも自分を成長させてくれますね。
そこから子育てと両立できる経理などの仕事を経験し、昨年、東京都立職業能力開発センターのDTP科で印刷の基礎を学ぶ機会を得て、ご縁のあった「木元省美堂」で、現在「正社員」として働いています。
就職活動で、ねもとさんに面接していただいた際に「いろんな経験をしてキャリアを積んできたんですね!」という有難いお言葉を頂いたこと、今までの自分を肯定してもらえた嬉しさは今でも忘れられません。採用のお知らせを頂いた時の喜びを胸に、これからもがんばります!
人生山あり谷ありですね☆
※写真は今日水道橋の窓から撮影した東京ドームとシビック君。桜も咲いてます。
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