木元省美堂の社員が様々な話題をお届けします!
2024年02月05日
暖冬と言われながらも、寒さが増してきました。ご機嫌いかがですか? 制作部のことことです。
さて皆様、最近ハガキ・封書などに限らず、手紙を認(したた)めましたか?
出勤時にカーラジオで聞いたのですが,全国の郵便ポストの4分の1は、郵便物の投函が1日1通以下だとか。それでも郵便はユニバーサルサービスであるため、空のポストであっても全国津々浦々回収する必要があるそうです。回収に掛かるコストは大変なものですよね。今年の秋に予定されている郵便料金の値上げもむべなるかな…でも結構な値上げ額なんだよなぁ
かくいう私も、人生で1番手紙を出したのは就活の資料請求の時でした(そういう時代があったんです)。最近では多忙を理由に年賀状すら書かなくなり…値上げを非難できませんね。
ところで、源氏物語を書いた紫式部が主人公の大河ドラマはご覧になりましたか?
なかなかなキャスティングで、大学の研究テーマを「平安時代の女性」にしていた自分も、興味深く視聴しています。
彼女が活躍した平安時代摂関期は、消息(しょうそく)や文(ふみ)と呼ばれた手紙が生活に重要なアイテムであり、その様子は文学作品にも数多く残されています。それらを読むと当時の手紙は、用いられる紙の質や色・墨蹟の濃淡・添える季節の花々などに気を配るなど、コミュニケーションツールであると共に、知的遊戯でもあるのだなと思わされます。
その一例として、紫式部と並び称される清少納言がものした『枕草子』の中に、私の好きな話があります。
公卿が清少納言に「ある物」を贈ったやり取りが書かれているのですが、前述したように紙質・色・書かれた文体・添えた花がなどが、送受で見事に対比しており、その面白さに感心してしまいました。
詳しい内容は『枕草子』を読み(岩波文庫『枕草子』池田亀鑑校訂 p.181~183 1988 第32刷)、当時の貴族文化の高さを味わっていただきたいです。他にも手紙に関する興味深い話が、多く書かれていますよ。
平安時代の貴族には及びませんが、久々に友人に手紙を書いてみようかなと考えています。
お読みいただき、ありがとうございました。
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