木元省美堂の社員が様々な話題をお届けします!
2022年10月19日
朝晩涼しくなり、秋が深まってきましたね。
ご機嫌いかがですか? 制作部のことことです。
さて10月です。神無月(神在月)と呼ばれたり、各地でお祭が行われるこの月は、何かと神様に縁の深い月といえるかもしれません。
ところで神様といえば…天照大御神をお祀りする有名な伊勢神宮。この神宮に『式年遷宮(しきねんせんぐう)』という1300年続けられている神事があるのをご存じでしょうか。
原則20年に一度、ご神体を新しい正殿に遷す神宮最大の神事で、約8年の歳月をかけて65棟の建物の建て替えや1500点以上の装束・神宝が新調し奉納されるそうです。
直近の遷宮は2013年でしたが、既に2017年から次(2033年)に向けての準備が始まっているとか。
10月2日のEテレ『日曜美術館』で、神宝のうちの一つ、『玉纏御太刀(たままきのおんたち)』を作る過程を放送していました。
私は『御神宝』と崇められるものは、使われる素材の産地・製法などは、古来から何も変えずに作られているのかと思い込んでいたのですが、全然違いました。確かに神宝の形自体は変わらないものの、そこに使われる金属や貴石・飾り紐に関して、最適な産地・製法技術を模索し作り続けていたのです。どのようにして古来からの色を再現・引き継いでいくか…貴石の産地や染色のための植物の選定などに奮闘している職人の姿に感銘を受けると同時に、少しだけ違和感を感じてしまいました。
遷宮を行う理由として、宗教的なものの他に「技術の継承」が挙げられているのですが、それだけならここまでの情熱をかけて作る必要はないはずです。極端に言えば形や技術が伝われば良いのですから。
もちろん選ばれて神宝を作成する「名誉」もあるとは思いますが、何が彼らを動かしているのか…不思議に思いました。
それに対する答えとして自分が思い至ったのは、番組の中で職人の方が言った『先人が作ったものが、今の自分たちに作れないはずがない』という言葉です。
職人の方々が培ってきた技術に対する自負・自信、それなのかなと。
番組視聴後、技術者(と勝手に思っている)のはしくれとして、自分にそこまでの自負があるのか…わが身を振り返って落ち込み気味になりましたよ。
季節の変わり目、体調を崩しやすい時期でもあります。皆様ご自愛くださいませ。
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