きもと社員Blog

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古本

2021年01月08日

 バッハです。みなさま新しい年をどのようにお過ごしでしょうか。
コロナ禍の影響により巣ごもり需要の「内食」増でスーパーは売り上げが伸び、従業員の疲れを癒すことも含め、三が日の営業を休むお店も多かったそうです。元日にお店が休みという光景はいつ以来だろうと思えるぐらい、お正月営業が当たり前になっていました。

今回は巣ごもりで増えたかもしれない読書。といっても読むことではなく古本について書いてみようと思います。

古本でイメージすることはなんでしょう。ほこりっぽい、汚い、書き込みがある、紙はザラザラ、茶色い、文体が読みにくい、旧字が読めない、字が小さい、裁断がずれてるなど、あまり良いイメージを持たない人も多いと思います。自分もそんな一人でした。
文字ばかりの本は大嫌いな子供時代を過ごし、自ら本を読むようになってから買うのは新品の単行本ばかり。そんな読書姿勢が転じて、いつしか古本ばかり読むようになったきっかけは覚えていませんが、文中に出てきた情報の補強、補充をしたくなったり、参考文献を読みたくなったり、巻末広告で興味を引かれたりといろいろ刺激されることが多々あり、紹介されている本がかならずしも新しい本というわけではなかったので古本という選択肢を選ぶようになったと思われます。

今や自宅にあるのはほぼ古本という状態。書棚に収まらず、押入れが満杯になり、積み上げた本で壁が埋まる。あまりにも多くなり一度処分したこともあります。そのとき出張買取に来てくださった業者さんからは都内はむりでも地方の古本屋なら開けるといわれました。

今も増殖中の古本たち。高価な本はありませんが、買った時に高値だった一冊をご紹介します。
柳原燁子「荊棘の実」です。柳原燁子と聞いてもぴんとくる方は少ないと思いますが、白蓮と聞けば思いあたる方は多いのではないでしょうか。大正三美人の一人といわれ、朝ドラヒロインの友人のモデルとなり、たちまち知名度がアップした方です。

この本の存在を知ったのは、朝ドラ放送以前。ある全集に挟まれていた月報に掲載されていた広告でした。興味を覚え、古本サイトを検察してみましたが探し物はありません。人物を検索してみて、こういう方の本は出てこないだろうと半ば諦めましたが、それからも思いだせば検索を続けていました。

1年以上過ぎたころだと思います。ついに見つかりました。手に震えを感じたのは本が見つかった興奮と……値段でした。覚悟はしていましたが今まで買っていた本とは桁違い。でもやっと見つかった一冊。ためらわれる値段。でもやっと、逡巡を繰り返し…この間約3秒。こうして迷っている間にも誰かが注文してしまうかも、もう読みたいとかではなく、見つかったのだからこの機会を逃してはならないと注文。本の状態がわからなかったので、とりあえず状態を確認してからの正式注文という但し書きを添え、そこは冷静でした。
取り扱いの書店からはあらゆる角度の画像が送られてきました。気になるところもありましたが、初版で経年を考えれば状態良しと思い正式注文しました。

そんな高価だった本も朝ドラの影響で再販され、電子版もあります。いまでも興味本位で検索しますが、今のところ当時本があらたに見つかったことはありません。

この本は昭和3年の本です。戦前の本全般にいえることですが、空襲という苦難をどうやって無事に乗り越えたのか、本の内容より、その本自身が辿ってきた経緯が気になることがあり、古本に惹かれる理由の一つかもしれません。

以前、S社からある探偵シリーズの第三作が発売されました。内容に絡む人物が第1作に登場しているということでT社から発売されていた第1作を探しましたが絶版。古本も見つからずもんもんとした日々を過ごしていたところ、S社から第1作が発売。あとがきはそのことに触れ、そんな思いを抱えていた方が多数あり、S社が新訳として発売した経緯が書かれていました。読むという行為は媒体があって可能になります。電子版が普及しても存在していないものは読めません。古本は状態の良いものばかりではありませんが、その存在でしか伝えられないものを持っています。本は捨てずに古本屋さんに持っていきましょう。誰かのお役にたてるはずです。

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