木元省美堂の社員が様々な話題をお届けします!
2020年07月10日
お世話になっております。
本日の担当 めーこ です。
個人的な話ですが、先日、十数回目の20歳の誕生日と、ごく近しい身内の一周忌を迎えました。
そんななか、とても興味深く読んだ本をご紹介します。
読了ほやほやです。
『急に具合が悪くなる』(晶文社 2019年9月刊)
著:宮野真生子(福岡大学准教授)/磯野真穂(国際医療福祉大学大学院准教授)
哲学者である宮野氏と、人類学者である磯野氏による、往復書簡が掲載されています。
先にいってしまうと、宮野氏は闘病の末、2019年7月に亡くなります。
その、直前まで交わされた20通の往復書簡。
この20通のうちに二人の学者は、「偶然性と必然性」「科学と妖術」「約束」といったキーワードを絡めながら、「患者の意思とは何か?」「確率論が狭める"いま"の可能性」「病気と向き合うこと」などについて紐解いていきます。
宮野氏の最後の書簡は7月1日付ですから、本当に直前まで、自らの生と死にまつわる様々な出来事や関わる人と、向き合っていたことになる。
その、書簡の数が増すごとに「病気と死」に肉薄する内容は、平静には読み進めることが難しい。
それでも、最後まで読みたいと思ったのは、二人の関係が素敵だな、と感じたからです。
親しくなって間もない二人が、学者として、人間として、お互いを尊重し信用することで、お互いの状況をも引き受けることで、普通はタブーとされる「死」に関しての対話に突入していく、その様子に目が離せなくなりました。
私は、亡くなったらその人の話をしづらくなることが悲しいと思っていたので、何だかこの二人はとてつもなく素敵だぞ、と。
果たして、この二人が最後に導き出すものとは何か?
そして、二人が導き出したものに触れて、あなたは何を感じるでしょう?
このようなご時世なのに不謹慎かしら。
…いえいえ、このようなご時世だからこそ、いかがでしょうか。
私は、この先にこの二人のような素敵な出逢いがあるかもしれないと思ったら、前に進む勇気を少しもらえました。
このタイミングでこの本を読めて良かったなぁと思います。
まとめるとどうしても美談のようになってしまうので、ぜひ実際に読んで心揺さぶられていただけたら。
さて、私自身の話になりますが、前触れのなかった近しい身内の不幸は、さすがにこたえました。
その無防備なところに更に当時起きた別の非常にショッキングな出来事で心にナイフが刺さり、残念ながら一年経った今も抜けないまま、気分が沈むことの多い日々です。
「言われて傷つくのは図星だから」という言葉も目にしますが、図星かどうかに関わらず、鋭いナイフのような態度や言葉で刺されたら傷つくと、私は思います。そんなつもりじゃなかった、では消せない傷もあります。
むりやり良かったことを見つけるのなら、この出来事を反面教師とできることでしょうか…。
SNSにまつわる悲しい事件なども目にする昨今、できる限り、思慮深い人との丁寧な付き合いを大切にしていきたいものです。
そろそろきちんと心を休ませて穏やかな日々を送りたいなぁと感じる今日この頃。
数ヶ月前から、なるべく公平に話を聴いてくれそうな第三者に頼り始めていて、軒並み「それはあなたの反省するところじゃない。とにかく休みなさい」と言われ、あ、こんなに頑張らなくて良かったのか!と驚いています。
友人たちがオンラインで誕生日祝いをしてくれましたが、発表した抱負は「平和に暮らす」でした(笑)。
最近は、小学校入学前後の頃感じていたことをよく思い出しています。ニュースで流れる湾岸戦争の映像とその下にいるであろう多くの同じ年頃の子どもたちのこと、雲仙普賢岳の火砕流などの自然災害に心を痛めたこと、その一方で、父親に肩車してもらって観た大きな打上花火を綺麗だと思ったこと、頑張って登って頂上で家族で食べたおにぎりがおいしかったなぁという山の思い出など。
みんなが同時に楽しい気持ちになれたらいいのに。
どうか、あなたも、穏やかに笑顔でいられる日々を送れますように。
まずは、目の前のことに丁寧に取り組んでいきましょう。
では、また。
最後までお読み下さり、ありがとうございました。
いつかの誕生日に行った東京タワーの天の川イルミネーション。
いつ行っても人気のイベントなので今夏は私は遠慮しますが、また行きたい、という願いを込めて。
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