木元省美堂の社員が様々な話題をお届けします!
2019年08月08日
みなさま、こんにちは。制作部のことことです。
今日は8月8日、立秋でございます。暑いですけどね。
『立秋』とは「夏が極まり秋の気配が立ち始める日」だそうで、これを期にだんだん秋の気配が感じられるそうですよ。期待しましょう。
ひと月前になりますが…行ってきました、京都へ。
7月の京都は祇園祭一色です。
祇園祭の祭礼自体は平安初期(!)から始まり、現在のように鉾が居並ぶ形式になったのは室町時代からだと言われています。
ニュース等で有名なのは17日と24日に行われる『山鉾巡行』や、その前日夜の『宵山』ですが、祭事自体は7月1日の「吉符入」に始まり7月31日の「疫神社夏越祭」まで、およそ1か月にわたって行われます。歴史も期間も長いお祭ですね。
私が訪れたのは13日。祭の準備も佳境に入り、山鉾町の其処彼処で山や鉾を見ることができました。これらは釘を一本も使わず、『縄がらみ』という伝統技法で組み立てるそうです。ビルの三階と同じぐらいの高さでしたよ。
鉾の周囲に掛けられた、緻密な刺繍や舶来の織物などの懸装品と呼ばれる装飾品の美しさも見事でした。中には16世紀のゴブラン織りを使用している鉾もあるとか。『動く美術館』と称されるのも頷けます。
そしてこれらの山鉾ですが、搭乗拝観できるのをご存知でしょうか(女性禁止の鉾もあります)。
各鉾で条件が異なりますが、たいていは約500~1000円の拝観券か『授与品』といわれるグッズを購入すると乗る事ができるのです。
私が搭乗したのは月鉾で、当日は授与品配布日の初日だったのですが、開始時間30分前に行ったら既に20人以上並んでいました。
月鉾は、30を超える山鉾の中で一番豪華絢爛だと言われています。円山応挙の絵や左甚五郎の彫刻、17世紀インドムガール王朝時代の緞通などで飾られており、美術品に疎い自分でもその素晴らしさは溜息の出るものでした。
「夏の油照り、冬の底冷え」と称される京都の気候は、山鉾の板絵や織物にとっては過酷なものだと思います。
それでも数百年の間、守り伝え続けている町衆のたゆまぬ努力に、尊敬の念しかありません。
関東の人には馴染みの薄い祇園祭ですが、各山鉾に特徴があり見て歩くだけでも楽しめます。
貴重な美術品・文化財に触れるまたとない機会です。ぜひ皆さまも一度見学されては如何でしょうか。
1時間並んで手に入れた授与品です。『月鉾』だけにウサギの絵柄です。鉾にもウサギの彫刻があります。手ぬぐいは毎年絵柄が変わるんですよ
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