木元省美堂の社員が様々な話題をお届けします!
2019年05月30日
みなさん、こんにちは。文々です。
今回は水道橋から窓を広げてみました。
先週のこと、訳あって夜の10時近くに近所のコインランドリーに洗濯物を乾かしに行きました。
先に来ているお客さんが数人いる中に、赤ちゃん連れの若いママが一人、ソファーに座って赤ちゃんに離乳食をあげていました。
その後、そのママは赤ちゃんを素手で抱っこしたまま、洗濯物を洗濯機から取り出したり、乾燥機に移し変えたりしています。赤ちゃんも好奇心が出始めた頃のようで、一緒に覗き込んだりしています。わたしはうっかり赤ちゃんが洗濯機に落ちてしまわないかと、見ていてハラハラしてしまい、つい「抱っこしましょうか?」とジェスチャーしました。すると、その若いママは少し驚いた顔したものの、すぐに笑顔になりました。でも残念ながら赤ちゃんの方にイヤイヤされてしまい、結局黙って見ているだけに。
この時点でその空間に居たのは、私と、その親子と、もう一人の若い女の子でした。
もう一人の女の子も、何も言わずに、携帯から顔をあげてニコニコしながら赤ちゃんを見ています。
その場で、なんとなく赤ちゃんを連れていることに対してネガティブな感情で見られていないことが伝わったのか、そのママは少しの間、赤ちゃんを床に座らせて作業の続きを始めました。
赤ちゃんは身を乗り出したり、わたしの顔をじっと見つめたりしています。
ひとしきり洗濯物を乾燥機に入れ終わった(なんと3台分!)ママが戻ってきて赤ちゃんを抱き上げ、私にたどたどしい日本語で「イマジュッカゲツ」と話しかけてきました。
最初に見かけたときに、ひょっとして外国人?と思った私の勘は当たっていました。
「一人でえらいね、大変だね」
「ダンナサンシゴト、イソガシイ」
私の質問に、彼女が答える形で会話をしたところ、彼女は旦那さんとベトナムから日本に来ているということで、近くに子育て仲間やお友達は居ないそうでした。
区役所には行ったことはあるけど、言葉がよく分からなくてとも言っていました。
「そうか…さみしいね」
「ハイ…サミシイデス」
私は泣きそうでした。
心の中で「涙のハルンケアが欲しい~!」と叫びました。
私自身が、実家から離れたところで初めての子育てをしたときの寂しさが蘇ってしまったのもあります。
日本人で日本語が分かる状態でも、近所にまだ友人が居なかった頃は、初めての子育ては心細くて、夕方になると心細さで勝手に涙がこぼれてくる日々だったなと。
「すごくすごく頑張ってるね」
「アリガトウゴザイマス」
私は、自分の娘とそれほど歳もちがわないであろう、彼女の肩と背中を思わず何度もさすっていまいました。
「また、ここで会えるといいね」
それだけ言い残して、帰ってきたことをその晩とても後悔しました。
想像してみてください。たいていの仕事は研修もOJTもあるのに「お母さん」になったら、いきなりぶっつけ本番なんです! それも命を預かる仕事なんです!
世の中のほとんどの新米ママはついこの前まで、保育の専門家でも、栄養士でも、何でもないのに……。
それに加えて、言葉の通じない外国で、ひとりぼっちで子育てをする…どんなにか心細く、寂しく、ストレスにさらされる日々だろう。
あれから何度か同じ時間帯にコインランドリーをのぞいて見ましたが、彼女には会えませんでした。
あれから一週間、いまどこで何をしているだろう?
外国人労働者がこれからさらに増えるであろう日本で、彼女のような「サミシイ」を抱えているママはあちこちにいるんだろうな。もちろん日本人のママもだけれど。
国や言葉や文化を超えて「サミシイ」を持ち寄れる場所がつくれたらいいのにな。
そんなことを、このところ考えています。
長くなってしまいました。おつきあいいただきありがとうございます。
それでは、また!
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