印刷機を使用した印刷に無くてはならないものが「版」です。
この「版」の形状によって印刷機の印刷方式は5つに大別されます。
印刷機での印刷は、用紙に直接インキを吹き付けるのではなく、一度「版」にインキを付着させてから用紙に転写します。この「版」とは、はんこのようなものでインキが着く部分(画線部)とインキが着かない部分(非画線部)に分かれています。
カラー印刷は、基本的にCMYKそれぞれの「版」を用意し、4色を重ね合わせて印刷します。
「版」を使用するメリットとしては、生産性の高さが挙げられます。CMYKのそれぞれのインキが付いたはんこを用紙の同じ位置に1回ずつ押していくだけと考えれば、一枚一枚絵を描くように印刷するインクジェットプリンターとは、生産性にかなりの違いがあることをご理解いただけると思います。
平版印刷は、はんこのように凹凸がある版ではなく、平らな版を使います。平らな版なので画線部と非画線部が同一平面上にあり、それらを区別するために水と油の反発現象を利用します。
まず版全体に水を付けると、画線部は水を弾いて何も付いていない状態になり、非画線部は水を吸着し、水の膜がある状態になります。次に版面にインキを付けると、画線部にはインキが付着し、非画線部は水の膜によってインキを弾きます。
平版印刷は、主にオフセット印刷機で刷られます。版に付いたインキを一度ブランケットに転写し、そのインキを用紙に転写します。
当社で導入している印刷機も平版を使用したオフセット印刷方式です。
凸版印刷は、凹凸のある版を使います。
インキが付く画線部が凸状、インキが付かない非画線部が凹状になっています。
凸状の画線部にインキを付け、版から直接用紙にインキを転写します。
凹版印刷は、凹凸のある版を使います。
凹版は画線部が凹状になっていて、凹みにインキを入れ、凸状の非画線部にはインキを付着させません。
版面全体にインキを付けた後、非画線部である凸部に付いたインキをドクターと呼ばれる器具で取り除きます。
すると凹みのみにインキが残り、そのインキを用紙に転写します。
孔版印刷は、スクリーンを版材として使用し、画線部にインキが通過するように穴を開けます。
版をスクリーン枠にセットし、その下に用紙を置きます。
枠の内側の一端にインキをのせ、スキージというヘラでインキを伸ばすことでインキを画線部の穴から下に押し出し、紙に印刷します。
有形の版を使用せず、データから直接印刷する印刷方式です。
プリンターは無版印刷になります。
※電話受付時間 9:00-17:00(土日祝除く)。
※電話・フォームともに、セールス目的での問い合わせはご遠慮ください。