水なし印刷は、従来のオフセット印刷で使用する有害な薬品を使用しない印刷手法で、
水も空気も汚さない、環境に優しい印刷です。
環境対応をアピールしたいお客様は、ぜひ水なし印刷をご活用ください。
「水なし印刷」と言われても「紙の印刷に水を使っているの?」という点から疑問を持つ方が多いのではないでしょうか。
「水なし印刷」を理解するためには、当社で導入している印刷方式である「オフセット印刷」について理解する必要があります。
まずは、オフセット印刷について解説したコンテンツ「印刷会社の印刷を学ぼう!」をご覧ください。
オフセット印刷についてご理解いただけたでしょうか。
簡単にまとめると、印刷機での印刷は、CMYKの4色を重ね合わせて絵柄を構成するので、印刷データを4色に分解し、4色それぞれの「版」を作ります。
オフセット印刷の「版」は、平らな版なので、画線部と非画線部を分けるために印刷時に「湿し水」を必要とします。この「湿し水」に、有害な薬品が入っているため、「湿し水」を使わない「水なし印刷」が環境に配慮した印刷として注目を集めています。
水なし印刷は基本的な印刷方式はオフセット印刷と変わらないため、オフセット印刷の一種になります。
異なる点は、「水なし」という名前にもある通り、印刷時に湿し水を使わないということです。
では、水なし印刷ではどのように画線部と非画線部を区別しているのでしょうか。
水なし印刷は、通常のオフセット印刷と「版」の構造が異なります。
通常のオフセット印刷の「版」は非画線部に「湿し水」という水を使用することでインキの油と反発させ画線部と非画線部を区別していました。
水なし印刷の「版」は、非画線部がシリコンゴムの層になっており、このシリコンが「湿し水」のようにインキを弾き、画線部と非画線部を区別しています。
前述の通り、通常のオフセット印刷は、印刷時に大量の「湿し水」を使います。「湿し水」には人体に有害な揮発性有機化合物※である「IPA」というアルコールが含まれており、その廃液は、水質汚濁防止法で定められた基準値をはるかに超えています。
しかし、水なし印刷は「湿し水」の代わりにシリコン層がインキを弾くため、「湿し水」を一切必要としない環境に優しい印刷が可能となります。
※揮発性有機化合物は、土壌汚染や水質汚濁を引き起こすだけでなく、大気中に放出されると、光化学反応によってオキシダントなどの二次汚染物質の発生に繋がります。光化学オキシダントは光化学スモッグの原因となる物質です。
このマークをご存知でしょうか?
この蝶のマークは「水なし印刷」で印刷された印刷物にのみ記載することができるロゴマークで、「バタフライマーク」と呼ばれています。
オオカバマダラという環境の変化にとても敏感な蝶がモチーフになっています。
より詳しい説明は日本水なし印刷協会のバタフライロゴについての説明をご覧ください。
※バタフライマークは記載義務があるわけではないため、記載しないことも可能です。
環境対応印刷ということで「水あり」に比べると、「水なし」は高価であると思われていますが、当社はほぼ同等の価格で提供しています。
その理由は、湿し水を利用しないため、湿し水の管理の必要がないことや、現像時の廃液が発生しないという点で、版の値段やインキの値段の差を補っているためです。
水なし印刷を採用すると、通常のオフセット印刷と比べて、環境面では大きなメリットとなります。
品質面では、メリットとなることもありますがデメリットとなることもあります。
紙の品質、絵柄などと相談し、「水なし」と「水あり」のどちらの印刷方法が適しているのかを検討する必要があります。
「水なし」では、水を使わないため、特ににじみに起因したドットゲイン変調による色の変化を解消することができ、印刷物の色が安定します。また、凹凸のあるような紙に強く、平滑な紙と同じように印刷することが可能です。
メリット・デメリットという話とは別ですが、水を使わないことで、「水あり」よりも色がはっきり出ます。
「水あり」の場合、インキだけではなく、湿し水の量や汚れ、温度などの影響もでてくるため、管理には経験を要し、印刷部数が多い場合、品質を一定に保つことが困難な場合があります。
「水なし」は水を使わないため、紙伸びが発生する心配がありません。
「水あり」では、紙によって、水を含むことで紙そのものが伸びることがあります。紙伸びが発生すると見当ずれなどの原因になります。
当社では、水なし印刷を活用した「環境対応印刷」をご提供しています。
水なし印刷とカーボンオフセットを組み合わせたプランもご用意しており、環境に優しい水なし印刷とその印刷物の製造時に排出されたCO2をオフセット(相殺)することで、お客様の環境保護活動をアピールすることが可能です。
※電話受付時間 9:00-17:00(土日祝除く)。
※電話・フォームともに、セールス目的での問い合わせはご遠慮ください。