印刷物を綴ることで本の形態にする後加工です。
堅牢さを実現する製本や開きやすさを高めた製本など、用途に合わせた製本加工をご提案します。
製本加工とは、その名の通り4ページ以上の印刷物を本にするための加工方法です。
製本加工は、一般的な書籍に利用される「並製本」とハードカバーといわれる強固な「上製本」に分かれます。
製本加工の工程は一般的に、面付けされた印刷物に八つ折りなどの折り加工を施した「折り丁」を総ページ数に必要な分作成し、重ねて丁合して綴じ加工を施し、最後に余分な箇所を断裁するといった流れになります。
製本工程
その他にも、特殊な製本資材を使用する「PUR製本」や特殊な形状の「ブックインブック製本」といった特殊な製本加工が存在します。
詳細は下記をご覧ください。
並製本は、本文と表紙を綴じてから背以外の3方(小口、天、地)を一度に仕上げ断ちして指定寸法に仕上げます。
高速に大量生産できる方法で、無線綴じ、平綴じ、中綴じなどがあります。
無線綴じは、本の中身を糸や針金を使わずに、接着剤だけで綴じます。
あじろ綴じは、無線綴じの一種で、あらかじめ背の部分に接着剤がなじみやすいように機械的な加工をしているものをいいます。
無線綴じ・あじろ綴じの製本工程
本の背より約5mmの部分を針金で表面から綴じる製本様式です。
平綴じの製本工程
表紙と中身とを一度に丁合いし、表紙の背から中央の見開きページへかけて背を針金で綴じます。
中綴じの製本工程
並製本に対して言う製本様式上の分類で、本式の様式であり本製本ともいいます。
上製本は表紙と本文を別工程で作成し、本文に貼り込んだ見返しの片側前面に接着剤を塗布し、表紙の裏面に張り合わせることによって表紙と本文を接合します。そのため上製本の巻頭、巻末には必ず見返しがついています。
本文は糸かがりかアジロ綴じで綴じられ、表紙はハードカバーのような加工が必要な表紙が使われます。
製本の折り丁を糸綴じ機を使って一折りずつ糸でかがって綴じ合わせます。
折り丁の大きさや紙質、紙の厚さに応じて綴じの箇所や糸の太さを調節します。
上製本の製本様式には大きく分けて丸背と角背があります。
上製本では丁合いの段階で必ず本文の前後に見返し紙を付けます。
並製本は背と表紙にのり付けしますが上製本は見返し紙で表紙と本文を固定します。
PUR製本とは、PUR系ホットメルトを使用した製本方法です。
PUR系ホットメルトは、冷却により固まり、さらに空気中の水分と化学反応し、強固に固まります。
PUR系ホットメルトとは、ポリウレタン系の製本のりで、PURとはポリウレタンリアクティブ(Poly Urethane Reactive)の略称になります。
別の製本方法として、EVA系ホットメルトを利用したものがあります。
EVAとは、エチレン酢酸ビニル共重合樹脂(ethylene vinyl acetate copolymer)の略称になります。
開いたままハンズフリーで見たい本や見開きでページをまたぐ図や写真がある本(楽譜,料理本,地図帳)などにおすすめです。
料理本
学習参考書
楽譜
EVA系ホットメルトと比べて耐熱耐寒性に優れているため、環境変化による紙の引抜けや本の割れを防ぐことができます。また、接着力も強いため、繰り返し利用される本や、長期保管されるような本にはPUR製本の方が適しています。
化学反応して形成した被膜は柔軟性があり、従来のホットメルトより薄く塗布しても強固な接着性を保てるため開きが良い本を作ることができます。
PUR製本
従来のホットメルト(EVA)による製本
加熱しても溶け出さないため、再生紙に溶け込むこともなく、古紙リサイクル工程で接着剤の固まりとなりパルプと完全に分離することができます。
熱溶解時の温度が従来のホットメルトよりも低いため(従来のホットメルトは180℃、PURは120℃)省エネルギーであるといえます。
※後加工に関するお問い合わせに関しまして
当社では、印刷からのご依頼を基本としております。そのため、後加工のみのご依頼につきましては対応しておりませんので、予めご了承ください。
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