Webサイト・ホームページを「運用」するとは?定義から施策までを徹底解説
2022年10月26日
『Webサイト・ホームページで成果を出すために「戦略」と「運用」が必要な理由』で「運用」の必要性を解説しました。
しかし、Webサイトを「運用」すると言われてもピンとこない方も多いと思います。
そこで本記事では、Webサイト・ホームページの「運用」について定義から具体的な施策までを解説します。
Webサイトを「運用」するとは
情報媒体であるWebサイトは、作って公開した途端に成果が出る代物ではありません。
成果を出すためには、集客施策を打ったり、ユーザーの役に立つ情報を追加したり、サイトのアクセスデータから成果の評価や課題の抽出をしたりといった施策が必要です。
このような、Webサイトの成果につなげるための活動を「運用」と呼んでいます。
また、Webサイトを「運用」するとは、サイトを「育てる」こととも言い換えられます。
サイト上で様々な施策を実施することで、集客数、閲覧数、問い合わせ数などを向上させることはまさに育てる行為です。
Webサイト公開後、成果を出すサイトへと育てるためには、Webサイトを「運用」するという視点が必要になります。
Webサイトの運用施策
Webサイトの運用は以下のような考えで施策を検討します。
- 常に最新の情報を掲載するなど、サイトの情報を更新する
- ユーザーの利便性を高める
- 成果につなげるための改善を図る
施策が決まったら、施策の実行→分析→施策の改善といった流れで継続的な運用を目指します。
具体的な運用施策は以下になります。
分類 | 役割 | 施策 |
---|---|---|
企画 | サイト運用に関する企画を行う | 運用戦略の立案 |
情報更新・メンテナンス | 掲載情報の修正、基本情報の更新、システムの保守管理を行うことで、安定したWebサイトを提供する |
|
サイト育成 | 事業に関する情報の追加やデザイン改善に取り組むことで成果につなげるサイトに育てる |
|
評価・分析 | サイトの評価・分析を行う | アクセスデータの集計・分析 |
サイト運用に関する注意点
上記の運用施策はWebサイト上で実施できる施策ですが、これだけで成果を生み出せるようになるわけではありません。
Webサイトはあくまでマーケティングの手段のひとつでしかなく、他の情報媒体や施策と組み合わせる視点が必要です。
自社のマーケティング戦略におけるWebサイトの役割を正しく把握し、他の情報媒体や施策とのつながりを意識した上でWebサイトを運用しましょう。
BtoBデジタルマーケティングの型
Webサイトとその他の情報媒体や施策を組み合わせたデジタルマーケティングの型について解説した記事をご用意していますので参考にしてください。
「ビジネスにデジタルを活用する。中小企業が取り組むべきデジタルマーケティングとは」を見る>
Webサイトの役割について解説した記事もご用意していますので参考にしてください。
「デジタルマーケティングにおけるWebサイト・ホームページの役割とは?」を見る>
次章からは具体的な運用施策について詳しく解説していきます。
企画施策
まずはサイト運用に関する企画を行う企画施策について解説します。
企画施策に該当する施策は、「運用戦略の立案」です。
運用戦略の立案は、Webサイトの運用施策として最初に取り組むべき施策です。
Webサイトの運用にも当然戦略が必要です。大抵はサイト制作段階で検討しますが、見直しによる再検討も含めサイト運用の最初のステップと捉えてください。
Webサイトの運用はマーケティング戦略の一部であるため、Webサイト以外の媒体・施策※との関係性も考慮しつつ、マーケティング視点で目標達成のための戦略を立案します。
※Webサイト以外の媒体・施策例:メールマガジン、広告、展示会などのリアルイベント、問い合わせ対応(セールス領域)、商品の発送(ECサイトでの購入後の業務)など
運用戦略立案に必要な要件
サイト運用戦略は、新規サイト制作・サイトリニューアル後の場合と見直し再検討の場合とで検討するべき要件が異なりますが概ね以下の通りです。
共通要件
要件 | 詳細 |
---|---|
具体的な施策 | 情報の修正・追加、新規ページの作成といったWebサイト内で取り組む施策 |
施策実施計画 | 施策の実施期間や期限をまとめた計画 |
運用体制 | 運用に携わる人員と役割の明確化 |
見直しの場合
要件 | 詳細 |
---|---|
現状把握 | 前期計画の評価・分析、課題の抽出を行いサイトの現状を把握する |
目標設定 | 指標の追加・削減、目標値の変更による目標の再設定(再計画) |
サイト戦略立案の流れ
新規サイト制作・サイトリニューアル後の場合と見直し再検討の場合の運用戦略立案の流れは以下になります。
新規サイト制作・サイトリニューアル後の場合
①施策検討→②運用体制→③施策実施計画
新規サイト制作・リニューアル後の場合、制作段階で現状把握や目標設定が完了しているため、施策の検討から始めます。
サイト制作段階で公開後に追加する情報やコンテンツが決まっていれば施策に盛り込みましょう。
見直し再検討の場合
①現状把握→②目標設定→③施策検討→④運用体制→⑤施策実施計画
数年運用して戦略の見直しを図る場合は、新たな戦略を立案するための現状把握が必要です。
サイトのアクセス数や目標の達成率などを評価・分析し、サイトの課題を抽出した後、改めて目標を設定し、課題を解決する施策を検討します。
情報更新・メンテナンス施策
情報更新・メンテナンス施策は、掲載情報の修正、基本情報の更新、システムの保守管理を行うことで、安定したWebサイトを提供するための施策で、「掲載情報の修正」「基本情報の更新」「お知らせ情報の掲載」「システム保守管理」が該当する施策となります。
掲載情報の修正
「掲載情報の修正」は、サイトに掲載された情報の誤字や抜け漏れの修正作業を行い、正確な情報が掲載されている状態にする施策です。
基本的には、言葉や文章の言い回し、画像・イラストなどの間違いの修正や変更作業が中心となりますが、リンク切れの修正やレイアウト崩れの修正といったサイトの機能に関する修正も該当します。
正確な情報且つ正確に機能するサイトはユーザーの信頼感や利便性につながるため、作業としての難易度が低くても重要な施策といえます。
基本情報の更新
「基本情報の更新」は、サイト内に掲載される基本的な情報を更新する施策です。
以下のような情報の更新が該当します。
- 社名・所在地・役員・組織・沿革などの会社情報の更新
- 採用情報の更新
- 取得認証資格の更新
- プライバシーポリシー、特定商取引法に基づく表記などのWebサイトに必要な基本情報の更新
- 問い合わせ先情報(電話番号など)の更新
これらの基本情報に不備があると企業の信頼度に直結するため、常に正確な情報を掲載できるように社内情報の収集を習慣化できるようにしましょう。
お知らせ情報の掲載
「お知らせ情報の掲載」は、新商品・新サービス、休業期間、緊急性のある情報などのお知らせ情報をサイト上に掲載する施策です。
一般的なWebサイトであれば、お知らせ情報を掲載する機能を備えているので、その機能を使って上記のような情報を掲載します。
お知らせ情報は時系列な情報なので、掲載するタイミングに注意を払いましょう。
例えば、夏季休業期間や年末年始休業期間をお知らせする場合は、遅くても1週間前には掲載しましょう。
システム保守管理
「システム保守管理」は、Webサイトのシステム面を管理する施策で、以下の項目が該当します。
- 利用しているCMSのアップデートや管理
- サーバー容量の管理(不足していればアップデートする)
- サイトのセキュリティ対応
システム面の管理を疎かにするとユーザーの利便性を損なうことに繋がるため、定期的にチェックするよう心掛けましょう。
サイト育成施策
サイト育成施策は、事業に関する情報の追加やデザイン改善に取り組むことで成果につなげるサイトに育てるための施策です。
「事業に関する情報の追加」「デザイン・パーツ等の編集」が該当する施策になります。
サイト育成施策は、Webサイトで成果を出すまたは成果を高めていくための重要な運用施策であり、サイト運用の中心的な施策といえます。
事業に関する情報の追加
「事業に関する情報の追加」は、自社の商品やサービスに関する情報をサイト上に掲載する施策です。詳細は以下で解説します。
新商品・新サービス情報
新商品や新サービスを提供し始めた場合は、その情報をWebサイトに掲載しましょう。
機会を失わないためにも提供開始と同時にサイトで情報を閲覧できるようにしておくことをおすすめします。
商品・サービスに付随する情報
商品・サービスの基本的な情報を掲載するだけでは、中々購入・導入を検討してくれません。そのため、購入・導入を促進させるための付随する情報を掲載します。
例えば以下のような情報が該当します。
- 商品・サービスの料金表
- 導入事例
- 利用シーン・活用シーン
- FAQ
- 他社商品・サービスとの比較
- 導入プロセス
サイト制作段階で既に上記の情報が掲載されていたとしても、変更点の更新や新しい情報(新規導入事例やFAQ新規項目など)の追加は必要です。
ユーザーに自社の商品・サービスを購入・導入してもらうための判断材料となる情報は出し惜しみせず掲載しましょう(当然戦略的に掲載する情報を選別しても問題ありません)。
お役立ち情報
Webサイトに訪れるユーザーは、自社の商品・サービスに興味をもっていないユーザーがほとんどです。さらに、自社や商品・サービスを知らない方がサイトに訪れることはありません。このようなユーザーを潜在顧客といいます。
潜在顧客はまだ自社のことを知らない・興味がない顧客層ですが、ビジネスの成長にはなくてはならない存在です。
潜在顧客を将来的に自社の商品・サービスを購入・導入してくれる見込み顧客へと変化させる必要があります。
Webサイトは、潜在顧客へのアプローチ手段としても効果を発揮します。
その際に必要な情報が「お役立ち情報」です。
自社の商品・サービスに関連する情報から、それらが解決する課題に関する情報など、潜在顧客の課題や悩みを引き出すような情報をブログ機能を利用した記事コンテンツとして定期的に作成・掲載します。
お役立ち情報の例は以下になります。
- 特定分野のコツ・秘訣・知識・技術といったノウハウ解説
- やりかた解説
- 独自調査アンケートの結果
- 市場動向調査
サービス資料などの設置
Webサイトで収集した情報を上司や社内に共有したい場合に、それらの情報がまとまった資料がほしいと考えるユーザーは多いです。
そのような場合に備えて、Webサイト上でサービス資料等の資料をダウンロードできるような仕組みを構築します。
資料は自社の全ての情報をまとめたものをひとつだけ用意するのでも構いませんが、商品・サービス毎や目的に合わせた資料を作成することをおすすめします。
新たな資料を作成したら、ダウンロードできるようにWebサイトにリンク等を必ず設置しましょう。
デザイン・パーツ等の編集
「デザイン・パーツ等の編集」は、ユーザーの利便性を高める、成果につなげるなどのWebサイトの機能や効果の改善を目的にデザインやパーツの編集を行う施策です。
例えば以下のような編集が該当します。
- 情報の見せ方を変える(例:プラン説明を比較表に変更する)
- CVボタン※1を追加する(例:トップページのファーストビュー※2にCVボタンを設置する)
- ボタンやリンクの編集(例:位置・形・大きさ・色・文言を変える)
- CTA※3を追加・変更する(例:記事コンテンツにCTAを追加する、CTAの内容を変更する)
- 画像やイラストを追加・変更する
※1:CV(コンバージョン)とは、ビジネスの成功にとって重要なユーザーの操作や行動が完了すること。
※2:ファーストビューとは、サイトにアクセスした時に最初に表示される範囲のこと(デバイスの画面サイズによって範囲は変わります)。
※3:CTAとは、Call To Actionの略で、ページ内で他のページへの遷移、資料のダウンロード、お問い合わせなどの行動を喚起させるための仕掛けのこと。
評価・分析施策
評価・分析施策は、サイトのアクセスデータを分析することで、サイトの状態を評価し、問題点の把握から改善策を検討する施策です。
サイトの評価では、目標値に対する評価はもちろん、その目標地に関連する指標も合わせて評価します。
評価結果は、経営層や上司、チームのメンバーに共有できるようレポートにまとめておくと良いでしょう。
サイトの改善策を検討する場合は、目標値とのギャップを生んでいる原因を見つけるため、目標値に影響する指標をあらゆる角度から分析します。
その後、分析結果から改善に向けた仮説を立て、仮説を検証・実証する施策へ落とし込みましょう。
以下に「アクセスデータの集計・分析」に活用できる、無料利用可能なツールを紹介します。
- Googleアナリティクス:サイトのアクセスデータを集計・分析できるツールです。
- Googleサーチコンソール:Web検索でサイトが表示された回数やクリックされた回数、検索キーワードなど主に検索に関するデータを集計・分析できるツールです。
- Microsoft Clarity:ページ上のクリック位置などを分析するヒートマップ機能を利用できるツールです。
まとめ
ここまでWebサイトの運用の定義から施策まで詳しく解説してきました。
サイトの運用は、成果を出すサイトへ育てる行為であり、育てるためには様々な施策を実施する必要があると理解いただけたことでしょう。
ただし、施策を1度2度実施した程度では簡単には成果は出ませんし、成果が出たとしても市場や顧客の変化や競合企業の対抗策などによって成果が失われてしまうこともあります。
そのためサイトを運用して成果を向上させたり、持続させたりするためには「継続」がカギとなります。
継続的な運用で改善のサイクルを回せば、変化にも敏感になり対処のスピードが上がり、施策の成功率も上がっていきます。
持続的に成果を生み出すために、継続という視点をもってサイトの運用に取り組みましょう。
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Webサイトを持っているけど「アクセス数が少ない、お問い合わせがない、成果・効果が出ていない」といったお悩みはありませんか?
Webサイトで成果を出すためには、「戦略に沿ったWebサイト制作」+「成果につなげるサイト運用」が必要です。
しかし、多くの中小企業のWebサイトではこのような失敗が跡を絶ちません。
- 目的がはっきりしていないため、戦略のないサイトになってしまった
- サイトリニューアルは、見た目のデザインを変えただけ
- コストを抑えることに注力しすぎて、中身の薄いWebサイトになってしまった
- Webサイトを作っただけで放置している
- Webサイトの効果測定をしていない、サイトの改善に利用していない
- ユーザーにとって役に立たない情報を発信している(事業に関係のない個人的な情報など)
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