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「戦略」と「運用」の視点があるサイトとないサイトの違い

「戦略」と「運用」の視点があるサイトとないサイトの違い

2022年11月30日

執筆者 : 伝つくラボ研究員

Webサイトに「戦略」と「運用」の視点がないとなぜ成果が出ないのでしょうか?
本記事では「戦略」と「運用」の視点があるサイトと両者の視点がないサイトでどのような結果や状態を引き起こすかを比較解説します。

なぜWebサイトは「戦略」と「運用」の視点がないと成果が出ないのか?

ビジネスにおいての「戦略」とは、目的を達成するための方向性を定めることです。
また、Webサイトの運用とはサイトを育てていくことに他なりません。

以上の点から、「戦略」と「運用」の視点がないWebサイトを簡潔にまとめると、「目的を達成するための方向性がなく、育てる気もないサイト」ということになります。
この状態のサイトは言ってしまえば「何となく作って放置されたサイト」であり、これでは成果が出なくて当然といえます。

それでは次章より「戦略」と「運用」の視点があるサイトとないサイトについて具体的に比較解説していきます。

「戦略」があるサイトと「戦略」がないサイトの違い

まずは、「戦略」があるサイトと「戦略」がないサイトの違いについて、Webサイトの戦略立案に必要な要件毎に述べていきたいと思います。
要件の詳細は、「成果創出の土台となるWebサイト・ホームページの「戦略」の立て方」で解説していますので合わせてご覧ください。

Webサイトの目的

Webサイトの目的があるサイトとないサイトの違いは以下の通りです。

目的がある Webサイトを活用して何を達成したいかが明確で、要件や施策が定まりやすい
目的がない 何を達成したいかが不明確で、要件や施策が定まりにくい

目的があるサイトは、Webサイトを活用して何を達成したいかが明確です。
その結果、目的を達成するためには「どんなサイトにすればよいか」「目標値はなにか」「どんな内容を掲載すればよいか」「どんな機能が必要か」と目的を基準として要件や施策を具体的に検討できるようになります。

一方、目的がないサイトは、Webサイトを活用して何を達成したいかが不明確なため、要件や施策が定まりにくくなります。
その結果、根拠のない何となく作っただけのWebサイトが生み出され、サイトを所持する企業にとってもユーザーにとっても存在価値のないサイトになってしまいます。

上記以外にも目的があることで「原点回帰」が容易になるという良い点があります。
「何のために」が明確であれば、要件や施策の検討で悩んだとしても原点に立ち返る事ができ、失敗する確率を下げることができます。

目標設定

目標が設定されている
  • 成果(成果指標)が定まる
  • 目標から逆算したサイト企画・設計ができる
  • サイトの状態を正しく評価できる(運用時)
目標が設定されていない
  • 成果が明確でない
  • 目標から逆算したサイト企画・設計ができない
  • サイトの状態を評価できない(運用時)

目標が設定されているサイトは、サイトの目的が達成されたかを表す成果(成果指標)が定まります。
成果(成果指標)が定まると具体的な目標値を設定することができるだけでなく、目標から逆算したサイト企画・設計ができるため、成果につながるサイトを作りやすくなります。

また、サイトの運用時には目標値に対する達成度を算出することで、サイトまたは施策の効果が出ているか、計画通り成長しているかを正しく評価することができます。

一方、目標が設定されていないサイトは、何が成果か定まっていないことで「成果を出す」という視点のないサイトが生み出されます。
また、サイトの運用時には見るべき指標がないためにサイトの状態を評価することができません。

そのため、たとえアクセス集計ツールなどでサイトのアクセス数を把握できたとしても、サイトが良い状態なのか悪い状態なのかがわからないという状況に陥ってしまいます。

調査・分析

調査・分析がなされている 自社や顧客の現状を正しく把握することができ、根拠のある仮説を立てられるようになる
調査・分析がなされていない 自社や顧客の現状を把握できないため、根拠のない仮説しか立てられない

調査・分析を行うと、「自社の課題は何か」「強みは何か」「顧客の課題は何か」などといった自社や顧客の現状を正しく把握することができます。
その結果、根拠のある仮説を立てられるようになり、目的や目標につながる施策を策定することができます。

一方、調査・分析がなされていない場合は、自社や顧客の現状を把握できないため、根拠のない思いつきの仮説しか立てられず、役に立たない施策を実施するはめになります。

ターゲットの設定

ターゲットが設定されている ターゲット像や行動が明確になり、Webサイトに掲載する情報を顧客視点で考えられる
ターゲットが設定されていない ターゲット像が不明確なため、Webサイトに掲載する情報を顧客視点で考えられない

ターゲット設定とは、ターゲット像やターゲットの行動を明確化することです。
ターゲット像が明確になると顧客がどんな情報を欲しているかがわかります。

また、ターゲットの行動が明確になると、顧客の検討フェーズが整理でき、フェーズに適した情報をWebサイトに掲載できるようになります。
その結果、ターゲットの興味を引き、行動を促すことができるWebサイトになるのです。

一方、ターゲットが設定されていない場合は、ターゲット像が不明確なため、Webサイトに掲載する情報を顧客視点で考えられません。
その結果、ターゲットの興味を引くことも行動を促すこともできないWebサイトになってしまいます。

情報設計・サイト設計

情報設計・サイト設計の視点がある
  • 何をどのように伝えるかが明確になる
  • ターゲットの心を動かす=行動を促すことができるサイトになる
  • ユーザーにとって使いやすいサイトになる
情報設計・サイト設計の視点がない
  • 何をどのように伝えるかが曖昧になる
  • ターゲットの心を動かせない=行動を促せないサイトになる
  • ユーザーにとって使いにくいサイトになる

情報設計とは、ターゲットに伝える情報の軸を設計することです。
具体的には、ターゲットに何を伝えるか(コンセプト)、どのように伝えるか(ストーリー)、どんな情報が必要か(コンテンツ)を明確にして情報の中身を作ります。

つまり、情報設計の視点があると、何をどのように伝えるかが明確で、自社の強みでターゲットの課題をどのように解決できるかがすぐに理解できるサイトをつくることができます。
また、ターゲットの検討フェーズに適したコンテンツを作ることができるため、ターゲットの心を動かす=行動を促すことができるサイトになります。

サイト設計の視点があるサイトは、情報の構造がわかりやすく、企業イメージが理解しやすく、サイトの利便性が高い、総じてユーザーにとって使いやすいサイトになります。

一方、情報設計の視点がない場合は、何をどのように伝えるかが曖昧で、ユーザーのどんな課題を解決してくれるかがうまく伝わりません。
その結果、ターゲットの心を動かせない=行動を促せないサイトになってしまいます。
また、サイト設計の視点がないと、利便性が低く、ユーザーにとって使いにくいサイトになってしまいます。

「運用」しているサイトと「運用」していないサイトの違い

戦略に続いて、「運用」しているサイトと「運用」していないサイトの違いについて述べていきたいと思います。
サイト運用については、「Webサイト・ホームページを「運用」するとは?定義から施策までを徹底解説」で解説していますので合わせてご覧ください。

情報設計・サイト設計

情報が更新されている 正確な情報が得られる、企業の姿勢や存在を認識できることで企業としての信頼を得られる
情報が更新されていない 正確な情報が得られず、存在しているかも疑わしくなり、企業としての信頼を失う

情報更新とは、サイト上に掲載した情報の間違いを訂正したり、会社情報などの基本情報を更新したり、休暇期間のお知らせ情報を発信したりといったことが該当します。

上記のようなサイト上の情報を更新する運用がなされていると、ユーザーがサイトにアクセスした時に正確な情報が得られるだけでなく、企業の姿勢や存在を認識できるため、きちんと運営されている企業としてユーザーから信頼を得られます。

一方、情報が更新されていないと、正確な情報が得られないばかりか、存在している会社なのかも疑わしくなり、企業としての信頼を失うことにつながります。

例えば、サイトに掲載されている電話番号が間違っていたためにユーザーが問い合わせできなかったり、数年前のお知らせ情報しかないことで存在を疑われたりといったことが挙げられます。
これでは信頼を失っても当然といえます。

システム保守管理

システムが保守管理されている ユーザーが快適に利用できるサイトを維持できる
システムが保守管理されていない ユーザーが快適に利用できないサイトになる

システム保守管理とは、Webサイトのシステム面を維持・管理することです。
保守管理されているサイトは、機能の不備がなく、サイトのスピードも安定しているため、ユーザーが快適にサイトを利用することができます。
また、セキュリティ面の問題にも対処しており、安全性も保たれます。

一方、保守管理されていないサイトは、使えない機能があったり、サイトが重かったりとユーザーがサイトを快適に利用できません。
セキュリティ面にも不安があり、利用したくないサイトと思われても仕方ありません。

サイト育成施策

サイト育成施策を立て、実行している Webサイトに情報資産がストックされることで、成果につながる、成果が伸びる
サイト育成施策を立てていない Webサイトに情報資産が積み上がらず、成果が出ない、成果が伸びない

サイト育成施策とは、事業に関する情報の追加やデザイン改善に取り組むことで成果につなげるサイトに育てるための施策です。

新しい商品やサービスの情報を追加して知ってもらう、商品・サービスに付随する情報を発信して理解を深めてもらう、ユーザーの役に立つ情報を発信して信頼を得る、サイトのデザインを改善して利便性を高めたり行動を促したりするといった施策を実行することでWebサイトに情報資産がストックされます。
その結果、成果につながったり、成果が伸びたりします。

一方、サイト育成施策を立てていない場合は、情報資産が積み上がらないため、Webサイトを公開した当時と効果が変わらないか低下していきます。
その結果、成果が出ないまたは成果が伸びないサイトになってしまいます。

評価・分析

評価・分析がなされている
  • Webサイトが成果を出しているか評価できる。サイトの状態がわかる
  • 問題点を見つけられるため、根拠がある改善策を検討できる
  • サイトの状態を共有できるため、担当者の評価が上がる
評価・分析がなされていない
  • Webサイトが成果を出しているか評価できない。サイトの状態がわからない
  • 問題点が見つけられないため、根拠がある改善策が考えられない
  • サイトの状態を誰にも共有できず、担当者の評価が上がらない

サイトの評価・分析がなされていると、Webサイトが成果を出しているかをきちんと評価することができ、サイトの育成度合いがわかります。
また、サイトの状態を評価・分析することで、サイトの問題点を見つけることができ、データを活用した根拠がある改善策を検討することが可能になります。

その他にも評価・分析した結果をレポートにまとめて共有することで成果を示し、担当者の評価を高めることも可能です。
評価が高まればモチベーションにも繋がり、サイトの運用に一層力を入れてくれることでしょう。

一方、サイトの評価・分析がなされていない場合は、Webサイトの状態をきちんと評価できません。
また、問題点を見つけることも難しく、根拠がある改善策を考えられません。

評価・分析をしないということはサイトの状態を把握できないため、共有できる情報がありません。
その結果、担当者としての評価が高まらず、サイト運用に対するモチベーションも低下してしまうことでしょう。

まとめ

本記事では「戦略」と「運用」の視点があるサイトと両者の視点がないサイトでどのような結果や状態を引き起こすかを比較解説してきました。
解説の通り、「戦略」と「運用」の視点があるとないとでは、Webサイトの結果や状態から担当者の状況まで雲泥の差があることをご理解いただけたと思います。
ぜひ皆さんも「戦略」と「運用」の視点がある側に立ち、成果が出るサイトをつくりあげましょう。

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  • 目的がはっきりしていないため、戦略のないサイトになってしまった
  • サイトリニューアルは、見た目のデザインを変えただけ
  • コストを抑えることに注力しすぎて、中身の薄いWebサイトになってしまった
  • Webサイトを作っただけで放置している
  • Webサイトの効果測定をしていない、サイトの改善に利用していない
  • ユーザーにとって役に立たない情報を発信している(事業に関係のない個人的な情報など)

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